J7W マニュアル

はじめに

このマニュアルでは震電を FlightGear で操縦する為に必要な情報を示します。著者はパイロットでも震電の開発者でもないため、これらの情報が正しいかどうかは分かりません。ここに述べられている説明はフライトギア上での実験と私自身による震電に関する調査に基づいています。このマニュアルにより、皆さんがこのキュートなカナード機を操縦する手助けが出来ればと思っています。

飛行特性

前翼型とプッシャープロペラ

震電は前翼型とプッシャープロペラを有する機体です。この2つの主な特徴により、通常形態の機体とは飛行特性が大きく異なります。比較的空力的に不安定であるため墜落させてしまう事もあるでしょう。従って、身長かつ丁寧な操縦が必須となります。特にエレベータの操作は注意が必要です。ピッチ、ロール、ヨーのいかなる方向に対しても失速の兆候を感じ取ったら、操縦桿を少し戻して失速を回避してください。オートパイロットは時としてエレベータを急激に操作します(Vertical speed 等)。従ってあまりお勧めできません。

フラップ連動型エレベータトリム制御

通常の機体でフラップを使用すると機首が上を向くのに対して、震電のフラップは機尾が上を向きます。この特性により機首は下を向きます。機首が急激に下向きになるのを防ぐ為に、震電にはフラップ連動型エレベータとリム制御が装備されています。フラップを操作すると自動的にエレベータトリムを調整し、機首が下がるのをある程度防ぐ事が出来ます。それでもある程度機首は下を向きますので、エレベータ或いはエレベータトリムを調整する必要があります。

6翅プロペラ

震電は405ノットで飛行可能な6翅プロペラを装備しています。これにより、(特に地上付近で)機体は右回りにロールしようとしますので、このロールを抑制する操作が必要となります。e/shift-e キーを利用してエルロンを調整することもできます。このプロペラによるモーメントは高度、プロペラ速度、及びプロペラピッチに依存します。離陸直後にエルロントリムを調整したら、状況に応じてトリムを再調整する必要があるでしょう。

4枚のフラップ

震電は前翼に2枚、主翼に2枚、合計で4枚のフラップを装備しています。これにより他の機体と比べて大きな空気抵抗を発生させます。ファイナルアプローチ時にフルフラップを使用すると、パイロットの予想以上にスピードが低下します。この場合はフラップを1段上げてスピードを保持してください。着陸前のスピードが少し速過ぎる場合はフルフラップにする事で大きく減速させる事が可能です。この場合でも、フラップは250ノット以下で使用するようにしてください。

発動機に関する装備

流体接手 (HTC)

震電に装備された流体接手(HTC)はブースト圧の制御に利用されています。二次大戦時の従来機では過給器の制御にギアを使用していましたが、HTC は過給器へ動力を伝達するのに液体に浸したディスクを利用しています。これは自動車のオートマチックトランスミッションにおけるクラッチに似ています。HTC の圧力を高める事でタービンはより早く回転します。これによりエンジンはより高出力を発揮します。

水メタノール噴射(WMI 又は WM50)

水メタノール噴射装置(WMI) は50:50の水メタノール混合液をタービンに噴出することでブースト圧を上昇させます。二次大戦当時は高オクタン燃料が不足していたため、低オクタン燃料によるエンジン出力を補う目的で使用されていました。WMI は離陸時と交戦時に利用されていたようです。WMIによる副作用としてエンジン温度が低下します。

実機での WMI は利用高度に制限がありますが、現時点ではシミュレートされていません。WMI はブースト圧が +0mmHg 以上の時にブースト圧を高めます。震電には 12ガロン(約48リットル)の水メタノールが格納されていまして、最大圧力による噴射を20分行う事が出来ます。水メタノールが無くなったら WMI 計器の右側の針が 0 を指します。

操縦方法

離陸

フラップを上げた状態で滑走を開始します(フラップは機首ではなく機尾を上げる事を思い出してください)。HTC と WMI を操作してフルスロットルでブースト圧が +300mmHg になるように調整します。滑走中はラダーを操作してセンターラインをキープするようにしてください。100ノット付近で操縦桿を引くと 105ノット程度で離陸します。ランディングギアの引き込みをお忘れなく。

上昇

ピッチ角を15度以下にし、120ノット以上の速度で上昇してください。目安となる上昇スピードは 750m/分 (2480フィート/分)です。上昇速度は垂直速度計(VSI) で確認する事ができます。

上昇中はピッチと速度のみならず、排気温度(EGT)にも注意しなければなりません。この計器は燃料の混合比を示します。EGT を 700〜750℃に保つ事で最大出力を引き出す事が出来ます。シリンダ温度は燃料が薄くなると(排気温度が高いと)上昇し、濃くなると下降します。燃料が濃過ぎてもエンジンは焼き付きます。(シミュレートされていませんが..)

巡航

真電の巡航速度は 215ノット (多分 4,500m) となっています。私の経験によると、巡航状態における計器は以下の値を示しているでしょう。

  • WMI : 切 (利用する事も可能ですが 20 分程しか使えません)
  • ブースト : -400mmHg
  • 回転計 : 1500 rpm
  • 排気温度 : 750℃

巡航速度を容易に維持するには、以下の手順に従って下さい:

  1. 5000m まで上昇する
  2. オートパイロットの 'Heading control' を有効にし、 Wings level を選択する.
  3. ピッチを0度にする。(± 3度)
  4. オートパイロットの 'Pitch hold' を有効にする。ピッチは -0.5 to -2.0 の間で水平飛行になる所を探す。
  5. オートパイロットの 'Vertical speed' を選択し、垂直速度を 0 に設定する
  6. Velocity control (with throttle) を選択し、速度を 215 に設定する
  7. HTC (ブースト)及び EGT (燃料混合比) を調整し適切な燃料フローになるようにする

上記手順は、安全にオートパイロットを使用する方法にもなります。オートパイロットを利用する際のキーポイントは、ピッチをできるだけオートパイロットで設定する状態に近づけてから、オートパイロットを有効にすることです。

アプローチ

滑走路から7マイル程度の位置で大きく旋回して速度を 250ノットに下げ、高度750mで滑走路に進路を定めます。(正確とは言えませんが、悪い数値ではないと思います)。HTC とWMI を最低圧(切)にし、スロットルを2割程度に絞り込みます。この段階でフラップを1段下げてください。フラップを下げると機首下げモーメントが発生するのでエレベータトリムを調整する事を忘れないでください。降下を開始し、着陸時に 100ノットになるように減速して行きます。150ノットになったらランディングギアを下ろします。

適切な高度かどうかを確認するには、VASI (Visual Approach Slope Indicator) を参照します。VASI は滑走路の左右いずれかに配置されており、適正高度かどうかを示します。4ライトのVASI の場合、2つの白灯と2つの赤灯が見えれば適正高度です。白灯が多いと高すぎる事を、赤灯が多いと低すぎる事を示します。アプローチ時の高度調整はスロットルで行う事をお勧めします。操縦桿を引いて機首を上げる事はあまりよい方法とはいえません。機首上げにより若干高度は稼げますが、それ以上に抵抗が大きくなりスピードを落としすぎてしまうからです。

速度を落としすぎた場合は機首が下がりすぎてしまう事があります。この場合はエンジン出力を上げてから機首を上に向けてください。適正高度に達したら通常のアプローチ操作に戻るようにしましょう。

着陸

高度3m 付近でスロットルをアイドルにし、少し機首を上げながら100ノットで着陸するようにします。フルフラップの状態では機首上げが難しいかもしれません。この場合は事前にフラップを1段上げることで機首を上げてください。震電は比較的容易にエアロダイナミックランディング(ノーズのランディングギアを上げたまま着陸する事)が可能です。ノーズのランディングギアが着地したら、ラダーを操作してセンターラインをキープしてください。徐々にブレーキを効かせ、停止なり、ターミナルや格納庫に滑走してください。なお、失速速度(85ノット)以下でスロットルをアイドルにすることは避けてください。

計器

画像名称指示内容
gauge_asi.png SIZE:128x128(?KB)
速度計計器指示速度を示します(0-800ノット)。震電の最高速度は高度8400m で405ノット(真速)です。計器指示速度は空気密度に応じて真速よりも低い速度を示します。
gauge_altimeter.png SIZE:128x126(?KB)
高度計長針 = 1000m/1回転, 短針 = 10000m/1回転
gauge_boost.png SIZE:128x126(?KB)
吸入圧力計ブースト圧(-600 〜 +800mmHg)を示します。震電の最大ブースト圧は +600mmHg です。
gauge_cyltemp.png SIZE:128x125(?KB)
CHTシリンダ温度(0-350℃) を示します。
gauge_egt.png SIZE:127x128(?KB)
EGT排気温度(500-900 ℃).。燃料混合比の濃さを示します。700-750℃になるように混合比を調節してください。
gauge_fuel.png SIZE:128x121(?KB)
燃料計外周 = 胴内タンク(0-400 リットル), 内周 = 翼内タンク(0-200 リットル). 現在は切り替えスイッチがないため、胴内タンクの容量のみを表示
gauge_magcompass.png SIZE:128x126(?KB)
羅針儀計器指示方角を示します。「計器指示」とは誤差を含んでいる事を示します。正しい方角を確認するにはHUDを参照してください(h キー)
gauge_htc.png SIZE:128x125(?KB)
1号作動油圧力計4型流体触手圧力 (0.0 〜 60kg/sq cm?) を示します. 震電の最大圧は 55kg/sq cm です。
gauge_pitch.png SIZE:119x128(?KB)
前後傾斜計2型ピッチ角度を示します。(-15 〜 15°)。左記範囲以外では不正確です
gauge_tach.png SIZE:128x127(?KB)
電圧回転速度計1型改1指示器エンジンの回転数を示します。 (0-3500rpm). 震電の最大回転数は 2800rpm です。
gauge_turn.png SIZE:126x128(?KB)
旋回計2型改1針は旋回率を示し、ボールは慣性と重力との釣り合い(基本的には機体がどの方向に横滑りしているか)を示します。
gauge_wmi.png SIZE:128x124(?KB)
2号油圧計4型指示器左側は水メタノールのポンプ圧(0 to 3 kg/sq cm?)を、右側は噴射圧 (0 to 30kg/sq cm?) を示します。 真電の最大ポンプ圧は 1.6 kg/sq cm で、最大噴射圧は 15 kg/sq cm です。

キー設定

d/D
流体接手の圧力を調整します。(ブーストコントロール)
e/E
エルロンのトリムを調整します。
f/F
水メタノール噴射圧を調整します。
m/M
燃料混合比を調整します。
n/N
プロペラピッチを調整します。

他のキー設定については FlightGear Short Reference を参照してください。